英国の大手ファンド会社5社が共同でブロックチェーンの試験運用を開始

英国最大のファンドの5つが、ビットコインの背後にある新興技術であるブロックチェーンをテストする秘密プロジェクトに参加した。ブロックチェーンは取引コストを数十億ポンド節約できる可能性がある。

資産規模で欧州上場不動産ファンド第2位と第3位のシュローダーズ・インベストメント・マネジメントとアバディーン・アセット・マネジメントは、3200億ポンドを運用するコロンビア・スレッドニードル・インベストメンツと共同でこのプロジェクトに取り組んでいる。

このプロジェクトに詳しい関係者２人によると、２４６０億ポンドの資産を運用するアビバ・インベストメント・グループとヘンダーソン・グローバル・インベストメント・グループも協議に参加しているという。

資産運用会社が集まってオンライン公開台帳であるブロックチェーンをテストするのは初めてのことだ。銀行は数ヶ月かけてこの技術を解明してきたが、支持者らはこれが金融に革命をもたらすと主張している。

1兆ポンド以上の資産を運用するこの英国のファンド会社は、複数の当事者間で直接流動性の低い資産を取引するなど、この技術のさまざまな応用を模索している。目標は、流動性の低い証券の所有権をある資産運用会社から別の資産運用会社に移管するプロセスを迅速化することであり、このプロセスには現在、数日かかることが多い。

成功すれば、資産運用会社は銀行などの仲介業者を排除することでコストを大幅に削減できると考えている。そして、必要な従業員も少なくなります。

このプロジェクトに関わったある人物はこう語った。

「長期的に見て、より大きな商業的利益があるかどうかを見極めたい」

資産運用会社は、インターネット金融会社、テクノロジー系新興企業、KPMGなどの監査・コンサルティング会社と協力することが期待されている。このプロジェクトはまだ初期段階です。

資産運用会社がブロックチェーンプロジェクトに関与するのを支援するコンサルティング会社イノベーション・インスティテュートのCEO、アミン・ラジャン氏は、

「早期参加者として、競争上の優位性を獲得したい。」

ファンド会社は、ブロックチェーンの潜在的な利用の検討において銀行に遅れをとっている。これには、銀行とテクノロジー企業のコンソーシアムであるR3も含まれており、この技術は

「メディア業界やエンターテインメント業界に与えた影響と同様に、金融サービス業界にも影響を与える可能性がある」

あるコンサルタントによると、

「資産管理はおそらく[ブロックチェーンにおける]銀行業務より1年以上遅れている。」

いくつかの銀行はすでに大規模なブロックチェーンプロジェクトに関与しています。米投資銀行JPモルガン・チェースは、元JPモルガン幹部のブライス・マスターズ氏が率いるニューヨークに本拠を置く新興企業デジタル・アセット・ホールディングスと協力し、取引のコストと摩擦を軽減する方法を模索している。

ゴールドマン・サックスは、株式や債券などの取引の「ほぼリアルタイムの実行と決済」を可能にするブロックチェーンベースのシステムの特許を申請した。

バークレイズ、UBS、ドイツ銀行もこの技術の実験に携わっており、現在関連モデルを開発している銀行もある。

ラジャン氏は、ほとんどのファンドマネージャーがブロックチェーン技術を受け入れるには数年かかるだろうと述べた。

「資産運用会社は、他人の資金を扱っているため、移行に慎重になっている。システムエラーは、大きな評判の失墜につながる可能性がある。」

ブロックチェーンはビットコインと関連しているが、ビットコインは価格の激しい変動と犯罪行為との関連でよく知られており、一部の資産運用者を不安にさせている一方で、技術開発のコストを懸念する人もいる。

関係者によると、パシフィック・インベストメント・マネジメントやJPモルガン・アセット・マネジメントなど世界最大手の資産運用会社数社は、ファンド業界でブロックチェーンをどのように活用できるかを真剣に検討している。

世界最大の資産運用会社ブラックロックの広報担当者はこう語った。

「他の多くの企業と同様に、当社もこの分野の動向を注視しています。」

原文: http://www.ft.com/intl/cms/s/0/3be95e82-cc19-11e5-a8ef-ea66e967dd44.html#axzz3zZ9PbFQ0
アトラクタ・ムーニー著
翻訳者：プリンス・ゴン