2016年、ブロックチェーン技術は研究室から現実のものとなるだろう

過去 1 年間、デロイトのグローバル デジタル通貨コミュニティ (DC3) は、同社の戦略およびイノベーション コンサルティング業務と、世界中の一流起業家、科学者、技術者、ビジネス リーダーで構成される成長中のエコシステムを結び付けるために積極的に取り組んできました。

たとえば、世界経済フォーラム、シンギュラリティ大学、MIT メディアラボのデジタル通貨イニシアチブなどの組織との画期的なコラボレーションです。

業界の思想的リーダーとして、デロイトは将来を見据えた視点を提供することを目指しています。2016 年のブロックチェーン開発には何が期待できるでしょうか?

デロイトは、暗号通貨コミュニティを対象に、次のような質問について調査を行いました。「2016 年にブロックチェーン分野で最大のブレークスルーとなるものは何だと思いますか?」

調査の結果は下の図に示されています。

デロイトは、調査の詳細な結果に基づき、2016年の業界の発展テーマを次の3点にまとめました。

1. 研究室の外

2. コンソーシアム、アライアンス、マネジメントの時代

3. 次世代プラットフォーム

以下、上記3点について詳しく説明します。

研究室の外

2015年はブロックチェーンの発展にとって重要な年でした。ブロックチェーン技術をめぐる議論は概ね前向きで、金融機関や一般大衆は徐々にブロックチェーン技術に対する懐疑心を失い、知識を深めていった。

回答者は、2016 年もこの傾向が続くか、あるいはさらに加速すると信じており、数百万ドルの投資で開発されたブロックチェーンのプロトタイプが現実のものになると予測する人が多くいます。

ブロックチェーン技術のユースケースが生活に応用され、新たなユースケースが出現し、金融機関とブロックチェーンのスタートアップ企業が共同で立ち上げる製品が増えることを期待しています。

デロイトはこれまで、複数の大手金融機関と協力して、複数のブロックチェーン概念実証（PoC）を開発してきました。デロイトは、国境を越えた支払い、貿易決済、ロイヤルティ プログラム、KYC (顧客確認) など、テスト済みの金融サービス ユース ケースの多くが、2016 年に本格的な製品として徐々に展開されると予想しています。

社内ブロックチェーンラボ、ブロックチェーン技術企業との直接的なパートナーシップ、あるいはデロイト独自のRubixプラットフォームなどのプラットフォームとのコラボレーションを通じて、多くの大手金融機関がアイデア創出と「試用」段階から製品開発へと移行し始めています。

ブロックチェーンの潜在能力はまだ十分に発揮されていないと私たちは考えています。

Augur の予測市場や Symbiont のブロックチェーン株式取引プラットフォームなどのプラットフォームや製品の発売により、ブロックチェーン分野では今後も思慮深い革新が見られるようになるでしょう。当社の専門家はブロックチェーン業界の将来の発展について非常に楽観的です。

コンソーシアム、アライアンス、マネジメントの時代

今日の急速に進化するイノベーションとソリューションの環境において、多くの既存企業、新興企業、グループ、規制当局は、コラボレーションが業界での成功の鍵であることに気づき始めています。

この傾向は 2016 年にさらに強まり、企業は提携の能力を活用して、特定の分野におけるブロックチェーンの新たな使用例の重要な研究開発を推進することが予想されます。

最も注目を集めているコンソーシアムの1つは、ニューヨークに拠点を置くR3ブロックチェーンアライアンスです。これは、金融サービス分野におけるイノベーションと標準の確立を推進する40を超える銀行と金融機関の大規模なグループです。

インターネット時代では、標準を作成、維持し、相互運用性を確保するための管理機関が登場しました。同様に、2016 年には、特にパブリック ブロックチェーンにおいて、ブロックチェーン分野におけるガバナンスと標準の出現も見られるでしょう。これは技術開発の本来の目的に反するかもしれませんが、大量導入のきっかけとなる可能性があります。

一部の企業は、この分野で顧客に「ネットワーク リーダーシップ」を提供すること、つまり、エコシステム内のさまざまなグループを結び付け、それらのグループが集まって意見を共有し、製品を展示できるようにすることを目指しています。

デロイトは現在そのような役割を担っており、ブロックチェーン業界の発展を促進する上で重要な役割を担うことに尽力しています。このようなコラボレーションは、Money 20/20、SXSW、世界経済フォーラムなどの主要な会議でも形成されています。

適切なグループやパートナーを選択することも課題です。

次世代プラットフォーム

デロイトの専門家が予測する最後のトレンドは、イーサリアムなどの次世代プラットフォームと相互運用可能なプラットフォームです。

スマート コントラクトのパワーとモノのインターネットなどの既存のテクノロジ トレンドを組み合わせた興味深いユース ケースがすでに数多く見られ、2016 年にはこれらが運用可能になり、利用可能になると期待しています。

その一例が Slock.it です。同社は、スマート コントラクトと分散型自律組織 (DAO) の可能性を示す Ethereum コンピューターを開発しています。

同様に重要なのは、相互運用可能なブロックチェーン プラットフォームの台頭です。多くの金融機関がプライベートな連合ブロックチェーンの構築を選択するにつれて、相互運用性の必要性は近い将来に高まるでしょう。

たとえば、Credits は最近、Linux Foundation と提携してオープンソース プラットフォームを作成しました。 Deloitte の Rubix プラットフォームは、Colu と協力して、テクノロジーの長期的な有効性に不可欠な相互運用性におけるカラード コインの役割を調査しています。

ブロックチェーンは金融サービスのインフラを変革する可能性を秘めています。テクノロジーが発展するにつれて、より多くのユースケースが生まれ、コストの削減や新たな収益の創出など、より多くの業界に影響を与えます。

2016 年はブロックチェーンが現実のものとなる年になると私たちは予測しています。

注記: この記事で使用されている「デロイト」は、デロイト トウシュ トーマツ リミテッドの子会社である Deloitte Consulting LLP を指します。

元記事: http://www.coindesk.com/2016-blockchain-reality-deloitte/
エリック・ピシーニ、アンドリュー・ガーフレリック、サイモン・J・ラプシャー
翻訳者: プランタン
編集者: プランタン
出典（翻訳）：バビット情報（http://www.8btc.com/2016-blockchain-reality）