ブロック2020ステーブルコインレポート：供給量が540億ドルを超え、総取引量がPayPalを上回る

ザ・ブロックのリサーチ責任者、ラリー・セルマック氏

翻訳：陸江飛

ステーブルコイン市場は過去1年間で驚異的な成長を遂げ、現在では供給量は540億ドルを超え、月間平均オンチェーン取引量は3,800億ドルに達しています。最近、The Blockは130ページに及ぶステーブルコイン市場レポートを発表した。報告書の要点は次のように要約されます。

2020年1月以降、多くのステーブルコインビジネス指標は大きな成長を達成しました。

• ステーブルコインの供給量は59億ドルから542億ドルに増加しました。

• 月間平均取引量は2,350億ドルから3,840億ドルに増加しました。

• 残高が100ドルを超えるステーブルコインを保有するアドレスの数は284,000から185万に増加しました。

• 1日あたりの平均アクティブアドレス数は53,000から307,000に増加しました。

• 1日あたりの平均取引量は98,000から594,000に増加しました。

しかし、さまざまな指標が大幅に増加しているにもかかわらず、それを支える商品が十分ではありません。実際、昨年のステーブルコイン市場の急騰の主な理由は次のとおりです。

1. マイナーはビットコインを使ってテザーの負債を返済する。

2. テザー担保デリバティブの人気が急上昇。

3. DeFi とイールドファーミングの流行。

4. スポット市場では、ビットコインは「基軸通貨」としての主導的な地位を失いました。

5. ビットコインに対する機関投資家の需要が増加。

2020年、ステーブルコインの取引量は1億1000万件に達し、総取引額は1兆米ドルを超えました。比較すると、PayPal は昨年 1,540 億件の取引を処理し、取引総額は約 9,360 億ドルでした。ここで違いがはっきりとわかります。平均取引額に関して言えば、PayPal は取引あたり約 60 ドルであるのに対し、ステーブルコインは 9,000 ドルを超えています。

一方で、ステーブルコインの取引手数料は確かにわずかに高いです。一方、ステーブルコインには現在、他のユースケースシナリオ（主に取引）があまりないため、ほとんどのステーブルコインの取引額は 100 米ドルを超えています。すべてのステーブルコイン取引のうち、約 40% は 100 ドルから 1,000 ドルの取引です。

現在、暗号通貨取引所Binanceはステーブルコインの数が最も多いです。 1月末のデータによると、バイナンスが保有するステーブルコインの総額は約100億ドルに達した。さらに、Curve、Aave、UniswapなどのDeFiプロトコルには、多数のステーブルコインもロックされています。

ステーブルコインの供給の約40％は取引所から、11％はDeFiプロトコルから、残りはウォレット、OTCプラットフォーム、取引会社などから供給されています。

次のグラフは、最も人気のある 2 つのステーブルコイン、USDT と USDC の地理的分布を示しています。 USDT はアジアで最も使用され、USDC は米国で最も使用されています。これは主に、多くのアジアの取引所が初期に USDT ステーブルコインを選択したためです。

ステーブルコインの大部分は法定通貨にアンカーされており、法定通貨を担保として使用しており、その割合は 96% です。法定通貨へのペッグを選択する主な理由は、この方法が最もスケーラブルであり、実行プロセスも非常にシンプルであるためです。

1月末時点で、ステーブルコイン供給量の70％はイーサリアムブロックチェーン上に、27％はTRONブロックチェーン上に、さらに3％はOMNI上にありました。

現在、ステーブルコインの供給の99%が米ドルに固定されているという衝撃的なデータがあります。これには主に2つの理由があります。1つはトレーダーが依然として米ドルを好んでいること、もう1つは米ドル以外のステーブルコインは換金が難しく、金利が比較的低いことです。

テザーは現在、最も「市場を支配する」ステーブルコインです。関連するデータを見てみましょう:

• テザーはステーブルコイン供給量の69%を占めています。

• テザーはステーブルコイン取引の63%を占めています。

• 約100ドルを保有するステーブルコインアドレスのうち、テザーが87%を占めています。

• Tether は、毎日アクティブなステーブルコイン アドレスの 88% を占めています。

• テザーはステーブルコインの1日の取引量の89%を占めています。