Coinbase CEO のマイナー投票メカニズムに反論: ビットコインユーザーには発言権があるべき

編集者注: この記事は、Coinbase CEO の Brian Armstrong 氏の記事「ビットコイン ネットワークのエレガントなアップグレード メカニズム: マイナー投票」の見解に反論するために、Emin Gün Sirer 氏によって執筆されました。

CoinbaseのCEO、ブライアン・アームストロング氏がビットコインの現状について語った内容を読むのは辛かった。フラストレーションの原因は 2 つあり、1 つはテクノロジー、もう 1 つは社会的なものです。

アームストロング氏は次のように述べた。

ビットコインマイナーの大多数が特定のアップグレードに「投票」した場合、当然、それがビットコインの新しいバージョンになります。

なぜこれが技術的に間違っているのか、そしてそれが私たちが取り組む必要がある社会問題として何を示しているのかを簡単に説明しましょう。

ユーザーファースト

私が貧血だった子供時代、母は「脾臓は血液を作るから」と一日おきに私に脾臓を食べさせていました。それを食べなければならなかったのでしょうか？

よくある誤解は、ビットコインのマイナーがブロックチェーンの状態を決定するというものです。そして実際、私の同僚の一人も同じ誤解に陥り、マイナーはいつでも100万ビットコインを自分で発行できると信じていました。当時、私はこうした誤解を説明するためにこの記事を書きました。

おそらく、私の「フットボール クラブ」の例 (経営陣が決定を下しますが、ファンの利益を考慮する必要があります。そうしないと、ファンは経営陣を追い出そうとしてスタジアムで大声で叫んだり、スタジアムに入ることを拒否して外で大声で叫んだりする可能性があります) は十分に明確ではなく、アメリカの聴衆には通用しない可能性があります。ちょっとした思考実験でそれを明確にしてみたいと思います。

マイナーがブロックチェーンの状態を一方的に決定でき、ルールを自由に変更できるのであれば、なぜそうしないのでしょうか?ブロックごとに追加のビットコインを鋳造できるなら、なぜそれをしないのでしょうか? 「51% のマイナーがそれをしたくないから」という答えであれば、なぜそうしないのか自問する必要があります。中国のマイニングプールの計算能力が実際に51%を超えているのではないかとすでに疑っている人もいます。過去には、単一のマイナーのハッシュレートが 51% を超えたことが 3 回ありましたが、一方的にルールが変更されたわけではありません。なぜこれが起こらなかったのでしょうか?

理由を見てみましょう。あるマイナーが、現在の 25 BTC を超える基本トランザクション報酬を持つブロックを作成したとします。このマイナーがハッシュパワーの大部分を握っていると仮定します。彼は、他のマイナーによって確立されたブロックチェーンよりも長い、本当に長いチェーンを形成することができます。しかし、誰も彼の奇妙なブロックを評価しなかった。彼は自分のブロックチェーン上のすべてのビットコインを所有することしかできず、それを実際の富に変換することはできません。誰も彼を尊敬していない。ちょうど妹と私が子供の頃に作ったお金のように。私たちはお互いにおもちゃを買うためにしかそれを使うことができません。店では現金しか受け付けないので、新しいおもちゃを買うことはできません。

誰かが勧めてくれたからといって、それを食べますか？

私はアームストロング氏にこのことを伝えようとしましたが、彼の返答は「おそらく、マイナーに投票権を与え、ウォレットと取引所に拒否権を与えるのが正しい方法でしょう」というものでした。これも間違いです。私は通常、分散システムのアナロジーには非常に慎重ですが、消費者と生産者の文化的偏見に違反するリスクを冒しても、私ができる最善の例えを以下に示します。あなたが住んでいる町に、太ったシェフがいる大きなレストランと痩せたシェフがいる小さなレストランがあるとします。グランド レストランは食料生産能力の 51% を所有しており、町の現金はすべてあなた (人口: つまりあなた) が持っています。この町では、シェフが投票権を持ち、消費者であるあなたが拒否権を持つのでしょうか?大きなレストランを経営しているというだけで、太ったシェフが作った料理を食べさせられるのですか?それでもそう思うなら、ハギスや脾臓、牡蠣を出したらどうなるでしょうか?もしあなたがまだ太ったシェフに支配されている無力な客だと思っているなら、彼の立場になって考えてみてください。もしあなたが彼の皿を床に投げ捨て、代金を払わずに出て、隣の痩せたシェフのところへ行ったら、彼はどうするでしょうか?彼はどうやって食べ物をドルに換えるのでしょうか？覚えておいてください、この町で現金を持っているのはあなただけです。彼はあなたの現金を必要としているが、彼が持っているのは誰も欲しがらない内臓物だ。

結局のところ、ビットコイン、ウォレット、取引所のユーザーは莫大な力を持っているのです。彼らは、Coinbase のような大企業などの代理人を通じてこの権力を行使します。 Coinbase のような取引所がなければ、マイナーはどうやってビットコインを現金に換えるのでしょうか?次世代の機器に投資するどころか、どうやって給料を支払うのでしょうか?そして、電気代という厄介なコストについてはまだ触れていません。

したがって、最大のビットコイン取引所の CEO が自分の力と責任を認識していないことに私は衝撃を受けます。

鉱夫には権利がありますか?

誰もこれらの食品を食べるべきではありません。フォークで刺すとまだ血が流れていて、血が皿の上に固まりました。

「マイナーはブロックチェーンを決定する唯一の権限を持っているか？」という質問は使用しませんでした。なぜなら、そうではないことは明らかだからです。マイナーは利益を生む方向にのみ動きます。本当の疑問は、「ビットコインの変更を決定する唯一の権限はユーザーにあるか？」ということです。

答えは、彼らが最高の権力を持ち、ブロックチェーンの進化について議論する中核的なプレーヤーになるべきだが、マイナーやコア開発者との期待を仲介する必要があるということです。

ユーザーは金融システムを攻撃から守るためにマイナーを必要としますが、必ずしも既存のマイナーである必要はありません。したがって、一方的な断絶、完全な分岐は可能ですが、極めて賢明ではありません。鉱山コミュニティは寛容なだけなので、社会的観点から見ても非常に賢明ではありません。それは当初は真の投資を表しており、その投資を突然損なうことは敵対的となるでしょう。私はマイナーを弁護しているわけではありませんが、他の要素を考慮しない場合のテクノロジーの限界を説明したいのです。

明らかに、プルーフ・オブ・ワークのメカニズムを変更せずにユーザーがフォークの影響を受けると、新しいルールを気に入らないマイナーがハッシュパワーを使って新しいシステムを攻撃する可能性があります。これらの攻撃は厄介です。ハッシュレートの 25% を超える悪意のあるマイナーは脅威となるのに十分であるため、プルーフ・オブ・ワークからの変更には、26% の攻撃を防ぐのに十分なハッシュレートが必要になります。

思考実験を続けると、理論的には、ユーザーはプルーフ・オブ・ワークのメカニズムを変更することでルールを完全に変更することができ、それはマイナーの利益に反することになります。これにより、新しいシステムは既存の機器への攻撃の影響を受けなくなり、ビットコインマイニング投資業界で大きな議論を引き起こすことになるだろう。これにより、収益性の高い GPU マイニングの時代が再び訪れ、ビットコイン ボットネットが復活することになります。昔に戻るのは良いことではありませんが、ビットコインのセキュリティは実のところずっと良好でした。ビットコインは時価総額が高いため、制御されていない PoW の変更により、これまでは実行不可能だった攻撃が可能になる可能性があります。しかし、もちろん、予備プールのサポートにより、思考実験に制御された変更を加えることは可能です。

明らかに、ユーザーはマイナーと協力してマイナーの利益の 75% を獲得するのが賢明です。採掘設備は 18 か月ごとに時代遅れになるため、採掘者は十分なリードタイムで大きな変化に適応できます。その時、マイナーはブロックチェーンの変更について合意に達することが容易になります。上で述べた理由から、彼らにはアジェンダがなく、ハッシュレートの空白も存在せず、その理由の一部は、プレイヤーがそのダイナミクスを認識していないためです。

コア開発力

スコットランド人はトリッパをよく口にする。脾臓に比べたらマカロンだ。同様に、それを食べる必要はありません。

より厄介な問題は開発者の利益です。開発者の数は非常に少なく、彼らに補償する方法はなく、コア開発者を疎外するという解決策はお勧めできません。 「コア開発者」とは、メーリング リストで議論する人だけではなく、実際にコードに貢献する人を指します。実際、後者のグループを放棄しても、経済的に裕福な状態を保つことは可能です。これらのコア開発者は実際にコードを改善する人たちであり、非常に重要です。

私の本能的な反応は、新しい開発は大多数の開発者によって承認されるべきだということです。コードに精通した有能な開発者を見つけるのは難しく、彼らが辞めれば、残るのはアイデアマン（ビットコインでは通常男性）だけになります。しかし、開発者は代替可能であり、一緒に仕事をするのが難しいため、オープンソース プロジェクトで 1 人の開発者だけを満足させようとするのは無駄です。

期待が満たされなかった人は、通常、別の決断を下します。また、切り替えコストも高く、これは経済用語では粘着性と呼ばれます。

しかし、現在では多くの有能なビットコイン開発者が企業に勤務しており、状況は異なります。立ち止まってはいけない。 Coinbase やその他の A16Z 出資企業は、コミュニティの分散化と分散化を維持することに重点を置く必要があります。これにより、A16Z はこれまで欠けていたビットコインの開発と研究の最前線に、より深く関わることができるようになります。

今やるべき賢明なことは、現実を受け入れつつ、より多くの開発者がビットコイン、ブロックチェーン、フィンテックに興味を持つように促すことです。オープンソース プロジェクトから利益を得て、多くの商業活動を行い、多額の資金をオープンソース プロジェクトに投資してきた良識ある VC であれば、健全なエコシステムを育成するために取り組む必要があります。これには、新しい開発者を奨励し、コミュニティ主導のオープンソース貢献を補償する方法を見つけることが含まれます。

社会問題

結腸は、まだ消費されていない食物のもう一つの部分です。

さらに、私はビットコイン分野におけるリーダーシップの欠如に不満を感じています。ビットコインには多くの技術的な問題があります。トランザクションの確認に 10 分かかり、1 秒あたりのトランザクションの最大スループットは 3 件であり、人々が認識しているよりもはるかに多くの攻撃に対して脆弱です。しかし、これらすべては克服可能です。私たちは、数秒でトランザクションを確認し、1秒あたり数万件のトランザクションに拡張できるブロックチェーンを作成する方法を知っています。私たちはこれらの攻撃を阻止する方法を知っています (こことここ)。

解決が難しいのは社会的な問題です。ビットコインは多くの詐欺に踏みにじられてきましたが、コミュニティはこれらの問題を認めたくないため、解決するための対策を講じていません。有能な開発者が少数の企業に集中しており、これは科学的真実に反するものである、とコミュニティは強調してきました。このような環境では前進することは困難です。これらの議論が悪意のある DDOS や匿名のウイルス メールによって攻撃されるのも不思議ではありません。現在、Bitcoin Foundation のスタッフの多くが懲役刑に服しているため、公平で情報に通じたコミュニティのリーダーを見つけるのは困難です。

こうした状況のため、ベンチャーキャピタリストやビットコイン企業は大きな非難を受けています。彼らの中にはビットコインの普及に熱心に取り組んでいる人もいますが、コミュニティの改善に力を注いでいる人は誰もいないというのが私の理解です。どちらかといえば、彼らは自社の株価を上げるために、風変わりなファンの熱狂を煽っているだけである。私が観察したところによると、ビットコインを攻撃する学術論文はこれまで一度も発表されていないが、コア開発者に対する攻撃は行われており、現在のブロックサイズ拡張論争はすでに問題となっている。

諺にあるように、大いなる力には大いなる責任が伴います。グループとしての取引所はマイナーよりもさらに強力です。本当の力は現実世界に影響を与える能力から生まれます。マイナーだけではこれを行うことはできません。これを実際に実現できるのは、交換です。
したがって、ブライアンや他のビットコイン取引所の CEO の皆さんは、ビットコイン ブロックチェーンの変更に関する議論に参加できるよう、一生懸命に取り組んでください。あなたはユーザーの利益を代表し、マイナーやコア開発者と協力して、一般のビットコイン ユーザーにとって適切な結果が得られるよう努める必要があります。ユーザーの力を結集することはあなたの権利であり、あなたの責任です。

元記事: http://hackingdistributed.com/2016/01/03/time-for-bitcoin-user-voice/?platform=hootsuite
エミン・ギュン・シラー著
翻訳者: 次へ (8btc.com ユーザー名)
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編集者: プランタン
出典（翻訳）：バビット情報（http://www.8btc.com/bitcoin-user-voice ‎）