UBSアジア太平洋CTO、ブロックチェーン業界標準の確立を呼び掛け

UBSアジア太平洋CTOのピーター・スティーブンス氏は最近、香港で開催されたフィノバジア会議に出席し、フィノバジアフォーラムの参加者から大きな注目を集めました。スティーブンス氏は主に、金融サービス企業がブロックチェーン技術を活用してビジネスモデルを革新する方法について語りました。

「銀行も黙っていません。私たちは将来の方向性を理解しています。これは（ブロックチェーン）単なる新しい顧客体験ではなく、ビジネスモデルに真の破壊をもたらすものです。古いビジネスモデルを完全に排除し、新しいビジネスモデルを生み出すでしょう。ブロックチェーンは金融サービスに影響を与えるだけではありません。」

モデレーターのピンダー・ウォン氏の質問に答えて、スティーブンス氏はさらに、UBSがビットコインやイーサリアム、許可型ネットワーク（プライベートブロックチェーン）を含む複数のブロックチェーン技術に投資していることを明らかにした。

スティーブンス氏はまた、UBSはブロックチェーン技術に非常に興味を持っており、煩雑な内部銀行帳簿の代替としてそれを利用しようとしていると述べた。彼は、UBS だけがこの恩恵を受けられる企業ではないと考えている。彼は、資本ベースの企業であろうと労働集約型の企業であろうと、ブロックチェーンがすべての企業プロセスに影響を与えることができると固く信じています。

さらに、Gatecoin CEO の Aurelien Menant 氏、Bitquant 最高科学責任者の Joseph Wang 氏、WIP Solutions CEO の Alex Edana 氏など、多くの業界関係者が出席し、この技術に関連するさまざまな問題について意見を述べました。

ビットコインかブロックチェーンか

最近のカンファレンスで頻繁に聞かれる質問は、どのブロックチェーン技術が「最終的に勝利する」か、あるいは従来の金融で広く使われるようになるかということです。

この質問に対する回答は、参加者のビジネスモデルの違いにより異なりました。

法人顧客との取引に力を入れている香港の暗号資産取引プラットフォームANXの最高技術責任者（CTO）マデン氏は、顧客に「成熟した製品」を提供することを信条としており、ビットコインは今日のブロックチェーン市場で唯一の成熟した製品だと語った。

「私たちはビットコインを使用しています。市場初心者にとって、イーサリアムはちょっと複雑すぎます。」

プルーフ・オブ・ワークに基づかないブロックチェーンを開発しているWIPソリューションズのCEO、アレックス・エダナ氏は、当然ながら、誰にも制御されない分散型コンピューターネットワークであるビットコインの使用に反対している。

「『なぜ第三者を信頼しなければならないのか？』マイナーを知らなければ、顧客確認（KYC）の問題や管理上の問題が生じるだろう」と同氏は語った。

ブロックチェーンが多すぎる

パネルには聴衆から多くの興味深い質問が寄せられたが、そのうちの 1 つは、金融会社がブロックチェーン技術と友好的な関係を築くべきだという主張をどの程度強く支持しているか、また、その技術の探求を支援するパートナーが必要かどうかをパネリストに尋ねるものだった。

スティーブンス氏はUBSとブロックチェーンスタートアップR3との取り組みを例に挙げ、銀行が独自に技術を習得できるとは思わないと述べた。

「この技術で最も重要なことは共有することです。自分一人ではできません。だからこそ私たちは他の企業と協力しています。R3社とだけ協力しているわけではありません。業界の他のスタートアップ企業、通信会社、銀行と共同で試験運用を行う予定です。」

聴衆はまた、ブロックチェーンがプライベートな台帳であると同時にプライベートな台帳でもある状況を金融会社がどう回避できるかについても質問しました。

この点について、スティーブンス氏は、業界には「オープンスタンダード」が必要だと確信しており、たとえそれが許可型ブロックチェーンだけのものであっても、それが特徴となるべきだと提案している。

エダナ氏は、小規模市場では協力は比較的容易であると確信している。

「オーストラリアは、銀行が数社、取引所が2、3社しかないため、今後3～5年でブロックチェーンの最初の市場となるだろう。」

その後のパネルディスカッションでは、アーンスト・アンド・ヤングのアイラ・ダラウォン氏が「これは明らかに小さな会場です」と皮肉を込めて、カンファレンスにおけるテクノロジーへの熱狂を総括した。

元記事: http://www.coindesk.com/blockchain-panel-standing-room-only-at-finnovasia-hong-kong/
ピート・リッツォ
翻訳者: アシュリー・チャチャ
編集者: プランタン
出典（翻訳）：バビット情報